
1977年、油彩・キャンバス、一般社団法人アルテトネヤマ蔵
メキシコのセマナ・サンタ(聖週間)の祭り、Toritoの熱気とエネルギーを描いた作品。
頭上に花火や装飾を施した牛の張り子(Papier-mache)を担いで踊る祭りは、”Torito(トリート)”として知られています。また、セマナ・サンタで重要な存在である「フーダ(Judas)」は、キリストを裏切ったイスカリオテのユダを模した人形で、悪や裏切りの象徴として祭りの最後に燃やされます。
その伝統的な祭りの熱狂と、画家が感じた「命」の循環が描かれた作品です。
画面中央の「VIDA」という文字は「命」を意味し、祭りの興奮や混沌の中にも、「vida la vida(命から命へ)」という、生が絶えることなく続いていくという、利根山光人の哲学が込められています。
燃やされるフーダスは悪の終焉を、そしてToritoの躍動は新たな生のエネルギーを象徴しているのかもしれません。
混沌とした色彩と力強い線描は、メキシコの生命力と、生と死、そして再生というテーマを表現しているようです。
